Profile

千葉 伸行

[チバ ノブユキ]

盛岡市議会 / 現職
千葉 伸行

略歴

Interview

取材日 2017/12/14 聞き手 吉田拳
― ご出身はどちらですか?
千葉:今の一関市、旧花泉町です。岩手県最南端の地で生まれ育ちました。
― 学生時代は一関でお過ごしに?
千葉:小中まで一関にいて、高校は多賀城にある東北電力学園という東北電力の企業内訓練校を出てまして、訓練校に通いながら通信制の高校にも通っていた感じですかね。元々、車や機械なんかの科学的なことに興味があったんです。たまたま、(実家の)電気の安全確認に来た方が訓練校出身で、訓練校の話を聞いて「じゃあ、行ってみよう」となった感じですね。
― そこで電気関係の勉強を
千葉:そうですね。電気に関わる法律・技術といった専門的知識と、普通高校の通信制にも入っていたので、数学、物理といった一般教科の勉強もしていました。
― それは大変ですねえ……
千葉:そうですね。通信制は4年で卒業するので。東北電力学園を3年で卒業して、残り1年は職場にいながら、といった感じで。
― 学生時代はどのように過ごされました?
千葉:学生時代ねえ……(笑) サッカーをやってたのと、その延長線上でラグビーをやってた感じかな。
千葉 伸行
― ちなみに、今のご趣味は?
千葉:今は、登山とゴルフ。あとは、忙しくて全然いけてないけど、釣りですね。釣り道具は、もう使わないだろうということで家内に捨てられてしまったんですけどね(笑)
― それはそれは(笑) 東北電力学園を卒業後、そのまま東北電力に入社されたそうですが、どのくらいお勤めになられたんですか?
千葉:昭和63年に入社したんですが、議員になった今も籍は置いているので、勤続29年ということになりますかね。
― なるほど。盛岡市議選に出ようと思ったキッカケは何だったんでしょうか
千葉:東北電力の労働組合の役員を務めてきた中で、組合員の生活状況の改善等に取り組んでいたんです。けど、今の社会状況では、会社との話し合いだけでは解決できないことも多々あって。労働組合の方針で、政治の方にも参画していこうということで、市議選に、ということでした。私自身も、組合の政治参加の必要性を感じていて、先輩にも議会に行っていた人がいたので。その流れの中で、ですかね。
― 組合には、入社と同時に入ったんですか?
千葉:ユニオンショップ制といって、労働組合と東北電力が労働契約を結んでいるので、全員が組合に入るという仕組みなんです。
― なるほど。ちなみになんですが、やはり東北電力さんに応援を受けるということによる、議員活動上の「縛り」はあるんですか?
千葉:なかなか鋭い質問ですね(笑) そもそも、組合の考え方と違った考え方をしていないので、やりたいことという面ではそんなに違わないんですけど。組織のためにはなるけど地域の不利益になるなんてことがあった場合は板挟みになるなんてこともあるのかなとは思ってます。ただ、それもどっちかを選ぶというよりは全体の中でより良い方向を考えるんじゃないかなと思いますね。
千葉 伸行
― なるほど。そして、この前の選挙で初当選されて、現在1期目でいらっしゃるわけですが、議員として活動をしてきた中で思い出深いお仕事はありましたか?
千葉:まさに現在進行形で取り組んでいることなんですけど、一番大切にしていきたいなと考えているのが子育てなんですね。子供が育っていく環境を作れないと社会が回らなくなっていってしまうということですのでね。今は、子育てを支援している団体の話や実際に育児をしているお父さん、お母さんの話を聞く中で、どういった仕組みを作っていけばいいかなというところを考えている所です。教育も関わってくるんですけれども、できれば(生まれてから)就職するまでの一貫した仕組みを作れたらなと考えています。
― なるほど。ここからは、千葉さんが議会でされた質問について伺っていこうと思います。2017年6月の議会で、「紺屋町番屋」について質問されてますね。
千葉:東北電力のすぐお向かいさんなものですから、地元町内会の活動も含めて一緒に取り組んでいく中でですね、歴史的建造物でもあるこの番屋を活用しようという動きが、市民の方々の中から出てきていたんですよね。その取り組みに参加しながら、ただ活用するだけでなく歴史的建造物をどう活かしていくかということを考えていく中で、質問をしたという感じですね。
― 紺屋町番屋はよく盛岡の広報でも取り上げられてますが、元々はどういったものだったんですか?
千葉:元々は消防の機能担うための施設で、今の消防署のルーツですので、歴史的価値もありますし、建物そのものにも価値があります。なので、市としてもそれを回収して保存していこうと。けど、ただ保存するだけじゃなくて、活用もということで、去年は落語の寄席をやってね。岩大の落語研究会の方にも手伝いに来ていただいてやりましたよ。
― へぇ~、そうなんですね。最初から市の持ち物だったんですか?
千葉:今は市の所有になりました。元々は屯所ですから、町内の皆さんが共同で所有するような形で所有してたんですね。ただ、これも町内の力だけで維持管理していくのは難しい。けど、壊すのはもったいない。そこで町内の方が市に寄贈しようということになったんですけども、相続の問題があって何十人も地権者がいらっしゃって。最終的には寄贈できたんですけどね。
― なるほど。「総合型スポーツクラブの育成」に関する質問もされてますけど、これはどういったものなんですか?
千葉:例えるなら、プロ野球は支援しているけど、草野球はどうなのかな、といったようなね。自治体として、国体のような競技の方面に力を入れるだけでなくて、健康増進の方にも目を向けようと。そういった活動をしているのが、この総合型スポーツクラブでありますから、取り上げたというわけですね。
千葉 伸行
― 総合型というのは?
千葉:レクリエーションとかも含めてということですね。今年(※2017年)も高齢者向けの体操をやったりしてね。地域にこういった活動を根付かせていきましょう、というのは国でも推進していて。国にはスポーツ庁、県にもスポーツ担当の部署が出来たという社会的流れもあって、盛岡市でも取り入れていきましょうと。
― なるほど。「エネルギーの地産地消」に関しても質問されてますね。ぜひ、今後のエネルギーの在り方も含めて、お聞きしたいです。
千葉:国の政策でもあるんだけど、エネルギーの地産地消を進めていく中で、どうしても太陽光だけが脚光を浴びてしまっていて……。太陽光は曇りの日とかは発電されないので、太陽光だけでは安定供給につながらない。盛岡市でも環境への取り組みとしては、太陽光に関するものしかもっていないんだけど、本来はもっと幅広いエネルギーを見ていく必要があるのではないかなと。例えば、ペレットストーブであれば里山の管理につながるといったように、地域の産業にもつながるような形を出していければいいなと思ってまして。現実的には太陽光発電を作っても市民の皆さんの経済的な部分はプラスになってこないんですよね。せっかくであれば、盛岡や岩手で経済性を持たせられる仕組みができればと。
― 木質バイオマスだったり、ペレットストーブだったりを取り入れていきたい、ということですか?
千葉:この2つだけというのではなくて、他にも地熱であるとか、地域の資源を使ってできるエネルギーにも力を入れていった方がいいんじゃないかということね。ただ、木質バイオマスにしても、建材とかを作る過程で出てくる木くずを使うわけだから、林業振興とエネルギーとその両方がうまく回らないといけないのでね。すでに県内でも取り組んでいる事例がありますので、そういったところを参考にしながら事業として採算をとっていければいいなと考えています。
― あと、「国体のレガシー(※遺産)」についても取り上げていらっしゃいましたよね。
千葉 伸行
千葉:そうですね。国体については、あまりお金をかけずにやっていこうということで、仮設であったり、既存の施設の活用等をやったんですね。重視していたのはソフト面のレガシーで、市民の皆さんの活動や観光、食といった部分をPRする。せっかく岩手に来ていただいたので、また来ていただくために市民の皆さんが協同で活動を行うというのもレガシーだと思いますし。もっと言えば、先ほど話した総合型スポーツクラブといったところにもつなげていければなというところから質問しました。
― なるほど。「投票率の向上」についても質問なさっていますね。
千葉:現状として、投票率が下がっているので、民意の反映という意味でも投票率を上げる必要はあるなと。現状ではいろんな方々の意見が反映されたとは言えないんじゃないかな。投票率を上げることでいろんな方々の意見を政治に反映できるわけなのでね。逆になんで投票率が下がっているかというと、政治に対して関心がなかったり、投票する相手が分からなかったりといった理由があると思うんで、そこをどうにかする必要はあるなと思っていて。18歳に選挙権が引き下げられたということもありますしね。他にも、高齢者の方も投票に行きにくいという問題もあって、そういったところの解決策も検討中です。
― ネット投票についてはどう思われますか?
千葉:ゆくゆくは、そういった取り組みというのもやっていく必要はあるのかな、と考えています。ただ、今のところとしては、移動投票所とか投票期間の延長といった切り口からの投票率向上がいいんじゃないかなと。
― なるほど。ちなみに、投票率が上がってこない中で、顔の見える選挙をやるにはどうすればいいと思いますか?
千葉:うーん……。国政選挙の投票率が地方選挙に比べて高い背景としてはマスコミの影響が大きいのでないかなと思いますね。マスコミで連日報道することによって候補者の顔は見えなくても議論になっている政策や与野党の構図は、見えるわけですからね。
千葉 伸行
本来であれば、国よりも県、県よりも市の方が身近だし、候補者も多くなってくるので、裾野広く声を届けられると思うんですが……。なぜかということでいえば、私たち自身の発信不足というのもあるのかなと思いますし、先ほど言ったようにマスコミとの接点が少なくて露出が少なくなっているというのもあるんじゃないかな。
 なるほど。ちなみに、議会で取り上げる問題というのは、どういうところから出てくるものなんですか?
千葉:全部自分の発案というよりはですね、組合員の皆さん、すなわち住民の皆さんの声を普段の会話のなかとか、みんなで集まった機会に集めて質問していくといった感じですね。その中で出てきたうちの、特に大きいものが「子育て問題」だったんですよ。今働いている現役世代の声を聞くと、仕事や公共交通といったことよりも子育て分野の政策が行き届いていない、という声が大きいと感じますね。
― 今後、取り上げていきたいテーマにはどのようなものがありますか?
千葉:今後取り上げていこうとしているのは「産前産後ケア」ですかね。産後の精神状態が不安定な状態から産後鬱になってしまったりだとか、乳児虐待といったことも出てきているんですね。国レベルでも動いていて、産後検診で産後鬱の検診なんかも始まっているんです。花巻でも去年(※2016年)から導入しているんですけど、盛岡ではまだなので何とか導入できればなと。産まれたところから継続して支援を行って、サポートが必要な所でサポートをしてく。子供が元気に育っていくためにお父さん、お母さんを手助けできるところがあるんだったらしていこう、というところでね。いろんな受け皿が出来れば子育ても安心してできると思うし。そこを議員として肝にしている政策の1つとしてやっていきたいなと。
― なるほど。最後に、盛岡の目指すべき将来をお聞かせください。
千葉:私の子ども3人の内、地元に就職したのは1人なんですね。なので、盛岡にいる孫が大人になったときに、生活や子育てを盛岡でやっていきたい、と思えるような盛岡にできたらな、と思ってました。やはり人口減少は大きな課題ですので、子育てや産業振興といったことを行い、持続可能性を生み出していければと思いますね。盛岡と盛岡広域圏が人口減少に歯止めをかけることによって、岩手県の少子高齢化を止める最初のストッパーになれればいいなと思ってます。